チップを払う時に気を付けること
日本人には馴染みがなく、戸惑うことも多いチップについてのお話しです。アメリカではTipもしくはGratuityと言われます。日本でいう心付けのことです。
まず、チップを払うか払わないかはあなた次第です。チップの金額においても同じことが言えます。ただ、アメリカにおいてチップは働く側の収入に影響するとても重要なものです。
レストランなどにおいて、私たちが払うお金はオーダーした商品に対しての対価でしかなく、心地よいサービスはチップによって購入できるオプションのサービスという感覚だと理解すると分かり易いと思います。素晴らしいサービスを受けたと思えばチップを弾みましょう。逆にオーダーが出てくるのが遅かった、テーブルが汚かったなど気になる点があれば少なめのチップにしましょう。全くチップを払わないと「サービスに満足出来なかった」というこちらの意思は伝わりません。
「チップを払いたくないなら外食はするな」。それくらいチップという文化は当たり前です。必要経費と思ってスマートに支払いましょう。では次に、実際のシチュエーションに合わせたチップの払い方をお話ししていきます。
タクシー
チップの平均は料金に対して15%~20%です。さらに荷物の出し入れを手伝ってもらった場合は1個につき1ドルのチップを渡します。降車時に料金に加える形で渡すのが一般的です。33.8ドルだった場合40ドル渡し、「Keep the change, please. Thank you!」と言えば15%のチップと荷物のチップ1ドルを払ったことになります。実際は13セントのおつりがありますが、コインのおつりは貰わずにチップにする方がスマートです。
シャトルバス
荷物運びを手伝ってくれればタクシー同様に荷物1個につき1ドルのチップと考えてチップを渡します。私は楽しくお話しをしてくれた運転手さんには、さらに3ドルほどチップを渡しています。
ホテル
・配車係
荷物は同様に1個につき1ドルです。車に乗り込む前に渡しましょう。折り畳んだお札を何も言わずにスッと渡すシーンが映画などにありますが、私は目を見てお礼を言って渡しています。
・ポーター(ベル係)
お部屋の説明などもしてくれるので荷物1個につき2ドルのチップを渡すのが一般的です。部屋から出ようとする「では失礼します」という言葉がチップを渡すタイミングです。チップを渡す事を忘れていてなかなかポーターが部屋を出て行かないというのは映画などでよくあるシーンですね。
・ベッドメイキング
1人1日当たり1ドルです。4人で滞在すれば4ドルが平均です。掃除をしてくれる人に対する感謝を表すチップなので、散らかしてしまった場合は多く置いたり、素晴らしく手入れが行き届いていて、気持ちよく利用出来たと思えば少し多めのチップを置きましょう。枕やベッドなど分かりやすい所に置いてください。また、コインや1ドル札などをテーブルに置いておくと、チップだと勘違いされる可能性もあるので注意しましょう。
・その他
受付やコンシェルジュにはチップを渡す必要は無いと思いますが、お部屋の変更など特別なお願いを聞いてもらった時や素晴らしいサービスだと感じた時はチップを渡しましょう。気持ち程度、5ドル程のチップで感謝は伝わります。
バー・カフェ
カウンターで注文したものを受け取るスタイルの場合、基本的にはチップを渡しませんが、「Tip」と書かれた瓶などがある時はおつりのコインなどを入れると素敵な笑顔を見せてくれます。私はコーヒーショップなどで顔馴染みになった店員さんに「How are you?」などと話しかけて貰ったり、楽しい気分にして貰った時は「Have a good day!」と言ってチップを入れていました。ロコの子に習い、クラブのバーテンダーなどには1杯につき1ドルのチップを渡していました。
ネイルサロン・マッサージ
美容系のお店は平均20%のチップです。観光客向けのネイルサロンなどはチップを含んだ料金で計算されている事も多いのでダブルチップ(チップの二重支払い)にならないようにしっかり確認しましょう。ネイルサロンなどは、担当の人が付くのでカード支払いの場合でもチップだけは現金で渡すようにしていました。カード決済の場合、チップを当日配当して貰えないこともあるようで、現金だと喜ばれます。
レストラン
チップの平均は料金に対して15%~20%です。高級なレストランでは20%~25%が平均とされています。食事した人数が大人数(6~8人以上)の場合は18%程のチップを払うのが一般的です。チェック(勘定)を持って来てもらいテーブルで清算します。
観光地では特に、すでにチップが含まれているチェックを渡される場合があるのでダブルチップにならないように確認しましょう。「Gratuity」「Tip」の表記の横に金額が書いてあれば既にチップを含んだ料金です。「Service Charge」と表記されている場合もあります。チップが含まれていない場合は自分で計算して端数は切り上げてテーブルに置きましょう。日本では馴染みがありませんが、チップを含んだ料金をテーブルに置き、おつりも必要ない場合は店員さんの確認を待たずにそのまま席を離れて構いません。店を出る時に「Thank you」と言い、もう帰るよというアピールをすれば良いだけです。
クレジットカードの場合はカードを切ったあとに渡されるサインをする伝票に「Gratuity」「Tip」と書いてある欄があるのでそこに金額を記入してください。お店側が追加課金でチップをチャージします。追加課金をされるのを好まない人は支払いをカードで済ませ、現金でチップを置きます。サインした伝票と一緒にテーブルに置いておけば大丈夫です。その際は伝票のチップの欄に現金を意味する「Cash」と書いておきましょう。慣れるまでは計算が面倒なチップですが伝票に目安のチップ料金を表示しているお店もあるので参考にしましょう。
最初でもお話しましたが、チップはあなた次第です。平均や相場と言われるものがあり、納税時に申告義務があるほどハワイで働く人には重要な収入源とされているのは事実ですが、その仕組みを理解した上で自分も納得出来るチップを気持ちよく渡して欲しいと思います。感謝の気持ちを伝えるものとして、スマートにチップの文化を受け入れたいですね。